管理栄養士/公認スポーツ栄養士 惠美先生の健康コラムvol.9

「フレイル」という言葉をご存知ですか?

「フレイル」とは、フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します✍️
 年齢を重ねていくと、心身や社会性などの面でダメージを受けたときに回復できる力が低下し、これによって健康に過ごせていた状態から、生活を送るために支援を受けなければならない要介護状態に変化していきます。
フレイルは大きく3つの種類に分かれます。一つ目が「身体的フレイル」です。運動器の障害で移動機能が低下したり(ロコモティブシンドローム 後日解説)、筋肉が衰えたり(サルコペニア 後日解説)するなどが代表的な例です。高齢期になると、筋力は自然と低下していきます。

 二つ目が「精神・心理的フレイル」です。高齢になり、定年退職や、パートナーを失ったりすることで引き起こされる、うつ状態や軽度の認知症の状態などを指します。

 三つ目が「社会的フレイル」です。加齢に伴って社会とのつながりが希薄化することで生じる、独居や経済的困窮の状態などをいいます。

 これら3つのフレイルが連鎖していくことで、老い(自立度の低下)は急速に進みます。この連鎖はどこが入り口になるかは、その人次第。老いとは、決して身体の問題だけではないのです。

フレイルの評価として、下記のFriedらの評価基準が国際的によく用いられています🥰

Friedらのフレイルの評価基準
1. 体重減少
2. 主観的疲労感
3. 日常生活活動量の減少
4. 身体能力(歩行速度)の減弱
5. 筋力(握力)の低下
指標に含まれる5個の項目のうち、3個以上該当した場合に「フレイル」、1~2個の場合に「プレフレイル」(フレイルの前駆状態)、0個の場合に「健常」と判定します❤️

東京都健康長寿医療センターは、「全国高齢者パネル調査」のデータを用い、地域在住の日本人高齢者(65歳以上)全体のフレイル割合をはじめて明らかにしました。結果8.7%の人がフレイル、プレフレイルは40.8%、健常は50.5%でした。また、女性、高齢、社会経済的状態が低い、健康状態が悪いほど、フレイル割合は高い傾向がみられました。地域ブロック別では、おおむね西日本で高く、東日本で低い「西高東低」の傾向がみられました。と報告しています😊

フレイルの予防には、「たんぱく質を取る」、「バランスよく食べる」、「水分も十分に取る」が重要であるとされています。(体重管理やバランスのよい食べ方は、コラムNO.1~8を参照)

正しい情報を収集して、日々のご健康にお役立てください👏👏👏


参考:広報誌「厚生労働」2021年11月号 特集1|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
:フレイルの診断 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
:<プレスリリース>「日本人高齢者全体のフレイル割合は8.7%」|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 (tmghig.jp)

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